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本表装と機械表装(2)

【裂地の材質について】 ※裂地についての簡単予備知識 ・掛軸より巻物の方が柔らかい裂地を使うべき  (巻いたり開いたりで痛みやすいから。手触りも良い) ・裂地の代表的な素材に絹と綿がある。  絹の方が高価。絹の方がやわらかでより表装に向く ・裂地には縦糸と横糸がある。  縦糸横糸共に絹または綿、縦糸横糸それぞれが絹または綿などの裂地がある。 基本的により柔らかめの裂地を使うといいようです。 特に巻物にする場合は、柔らかな裂地でないと、巻いたときに痛みやすいです。 固めの裂地だと、 何度も開いたり巻いたりしているうちに負担がかかって少しずつはがれてきてしまう場合があります。 【全体的な品質について】 ・本表装の場合 本表装の場合は、もとより表具師さんが全てを考慮した材質を選んでいるので仕上がりの品質については一切心配ありません。 信頼できる表具師さんであれば、安く請け負うために、ふさわしくない材質を選ぶことはありませんし、表装の手間隙を減らすこともしません。 掛軸なのか巻物なのかはもちろん、本紙の微妙な厚さに応じて最適な表装方法(裏打ちの材質の調整など)で表装してくれます。 自分が満足するものでなければ、お客様に絶対にお渡ししません。職人魂です。 ※こだわり裏打ちの紙の話 本表装のこだわりについて。例を一つ。 本紙の裏に、補強やシワを伸ばす為に、薄い紙や布を貼ることを裏打ちといいます。 この裏打ちの紙、道外から仕入れる(家系図作成代行センターは北海道札幌で営業しております)のですが、仕入れてから1年間は使用しないで保存します。 なぜでしょう? 紙を仕入れた地域と北海道では気候が違います。 手漉きの紙は生き物です。ほんの少しの水分量の違いで張りが変わってきます。北海道の気候に馴染むまでは使わないそうです。 ・機械表装の場合 具体的には後述しますが、機械表装の場合は、ほぼ値段に比例して品質が決まってしまう面があります。 まず作成方法、作成工程についてですが、機械表装の場合は、掛軸・巻物・本紙の質、問わずに一律に表装されてしまうことが多いです。 《例》本来は巻物か掛軸かによって裂地を替えるべき 本来は巻物にするか掛軸にするかによって裂地の質・・・特に柔らかさを考慮しなければなりません。 機械表装では、巻物も掛軸も同じ裂地で表装されることが多いです。 例えばある機械表装のメーカーのあるランクの裂地があります。 やや厚めで、裂地としては固めです。 もともと掛軸用の裂地なのでこれで掛軸を表装しても特に問題ありません。 しかし、同じ裂地で巻物を表装するにはふさわしくなく、 残念ながら何度も開いているうちに表装がはがれてきてしまう長期保存に向かない巻物ができてしまう場合があります。 本来は、別の基準によって選ぶべき巻物と掛軸の表装方法についても、区別することなく一律にされてしまうことが多いです。 《例》本来は巻物か掛軸かによって軸先が違う 巻物の軸先についてですが 左が本表装の軸先、右が機械表装の軸先です。 本表装の軸先の方が細いです。 本表装の軸先は軸よりも細いです。 機械表装の軸先は軸と同じ太さです。 掛軸の場合は、軸と軸先が同じでかまわないのですが、本表装の細い軸先が正当な巻物の軸先です。 機械表装の場合は、巻物・掛軸問わず同じ作成方法、工程で作成されているため、同じ軸先になっているようです。 巻物と掛軸ですが、掛軸の流通が圧倒的に多いです。 機械表装を扱う表装店の品揃えを見るとそのほとんどが掛軸です。 確かに巻物の用途はさほど多くないのでやむ終えないのですが、掛軸を想定した材質や作成方法をそのまま利用して巻物が作られることが多いという事情があるようです。

札幌の家系図作成代行センター

全国対応で家系図作成業務を請け負っております。戸籍(戸籍謄本・除籍謄本)による家系図の作成、書道家が筆で書いて巻物や掛軸に表装するサービスも行っております。

札幌の渡辺宗貴行政書士事務所が運営する、家系図作成代行センター。戸籍を超えた家系図サービスを実施しております。